自民党と公明党の連立与党の【100年安心の年金制度】は本当に大丈夫か?

今月2022年10月18日政府は、国民年金の保険料納付期間を現行の40年から5年延長して、45年間とする案を議論する方針を決めた。この制度改定により少子高齢化に伴う年金の給付水準を抑制し、高齢者の生活保障につなげるのが狙いだ。月内に始動する社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の年金部会で議論を行い、2024年に結論を出した上で2025年の通常国会で法改正を行うことを目指している。2004年小泉内閣で行われた公的年金制度改革により、公明党の坂口厚生大臣が示した【100年安心プラン】は、従来の年金制度に比べしっかりとした年金制度に生まれ変わったのではなかったか?そもそも少子高齢化問題は、年金問題と高齢者の医療費負担の問題に重大な影響を与えることは、1972年(昭和47年)に婚姻数110万組、出生数2,091,983人を境に婚姻数、出生数、出生率が大幅な減少を続けた1970年代後半から1980年代初めには既に政府自民党は、はっきりと問題認識を持ち、少子高齢化問題の解決策について議論を行っていたはずだ。そして、1988年(昭和63年)自民党の竹下内閣の時に消費税の導入が決定され、1989年(平成元年)4月1日から日本で初めて3%の消費税が導入された。その時、消費税の導入を決めた理由を政府自民党は、少子高齢化問題を含めた社会福祉対策に利用することを前面に打ち出していた。そのため消費税法1条2項には、「消費税は、・・・・・・・医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする」とわざわ明記しているが、実際には消費税は社会福祉のためだけに使われる目的税ではないため、消費税が導入されてから現在にいたるまで所得税や法人税と同様に一般財源として全ての歳出予算に使われて来た。そのことを裏付けるように消費税(3%)が導入された1989年(平成元年)の婚姻数は、707,716組で出生数は、1,314,006人であるのに対して、2021年(令和3年)の婚姻数は、501,116組で出生数は、811,604人と婚姻数で206,600組減少、出生数で502,402人減少と消費税導入後32年間で少子高齢化が解消されることなく更に悪化の一途を辿っているのである。参考までに少子高齢化問題が始まる前の1972年(昭和47年)の婚姻数(110万組)、出生数(2,091,983人)の時と比較すると年間の婚姻数で598,884組減少し、出生数も1,280,379人と大幅に減少している。消費税を1989年(平成元年)に初めて導入してから、現在に至るまでに消費税の税率は、3度引き上げられた。1989年(平成元年)3%,1997年(5%),2014年(8%),2020年(10%)とこの32年間で消費税が、繰り返し引き上げられて来た。消費税の税率を引き上げる度に、自民公明連立与党は一向に改善の兆しの見えない少子高齢問題を天災のように扱うことで、消費税の税率を上げることが当然必要であるという姿勢を貫いている。しかし、政府の少子高齢化問題に対する姿勢が32年前に初めて消費税を導入した時に、消費税を所得税や法人税と同様に一般財源として全ての歳出予算に使われることのないように少子高齢化問題などの社会福祉のためだけに使われる目的税にしていれば、消費税導入当時の32年前から出生数が年間502,402人も大幅に減少することはなかったのではないか。 そして、この間には、社会福祉のために消費税とは別に介護保険料も導入されている。自民党は、ついこの間行われた参議院議員選挙で来年度から5年以内に防衛費を現在のGDP比1%(5.4兆円)からGDP比2%(11.8兆円)に増額することを公約に掲げ、政府も今年の6月に閣議決定した「骨太の方針」で防衛力について「5年以内に抜本強化する」と位置づけ、北大西洋条約機構(NATO)が防衛費のGDP比2%以上を目的にしていることに言及して、防衛力の強化と防衛費の大幅な増額方針を公に示した。自民公明連立与党が望む防衛費5.4兆円の増額は、消費税の税率を2%あげることによって得られる税収に匹敵する。2022年の高校卒業者数は、100万人強である。この5.4兆円があれば400万人の大学生に年間1,350,000円を支給することができるので大学の授業料の完全無償化を行うことができるのである。現在多くの大学生が返済の必要な奨学金を借りて、卒業を待たずに大学を中途退学する学生が増えている。また、大学を卒業しても奨学金の返済のために卒業後20年もの間、返済をしなければならない現実がある。自民公明の連立与党は、5.4兆円の防衛費を増額することには、積極的な姿勢を示す一方で、大学の授業料の完全無償化を含む少子化問題には、あまり本腰を入れているようには見えない。消費税を少子高齢化問題を含む社会福祉のために導入したにも関わらず、社会福祉だけに使う目的税にしなかったことや新たに少子化担当大臣を設けて少子化問題に前向きな姿勢だけは見せているものの、先日発表した岸田内閣の総合経済対策の中で少子化対策として、出産一時金10万円を支給することを表明したが、このような一時的なバラマキでは少子高齢化問題が解決されないことは、これまでの自民党及び自民公明連立政権が行って来た政策で、すでに実証されていることある。少子高齢化問題は、わが国の存亡にかかわる重要な問題であり、どんなことをしても解決しなければならない問題である。自民公明の連立与党は、少子高齢化の問題を天災のように扱い、場当的な対策で日本の人口構成比の是正のために適切な対応策を取ることを先延ばしにして来た。自民公明連立与党には、そろそろ少子高齢化問題に本気で取り組んでもらいたい。少子高齢化問題を是正するためには、婚姻数の増加、出生率と出生数の増加が必要条件である。そのためには子育て環境の整備や種々の支援策、幼児教育から大学教育の無償化、そして、少子高齢化問題が社会問題化する前の1972年(昭和47年)の婚姻数(110万組)、出生数(2,091,983人)の時のレベルに戻すために有効な政策を講じて行かなければならない。例えば1986年に制定され、1999年に原則自由化された改正労働者派遣法を廃止して、新社会人になった若者達が安心して生活が出来て、前向きな人生設計が出来る労働環境を作ることなどもあげられる。防衛力を強化するために防衛費を増額することは安全保障の観点から重要なことであるが、わが国にとって少子高齢化の問題は、安全保障の問題より優先すべき最優先事項である。自民公明連立与党は、5年以内に防衛費を現在のGDP比1%(5.4兆円)からGDP比2%(11.8兆円)に増額する方針を打ち出しているが、この5.4兆円を少子化問題に充てることで目に見える形で少子化問題が改善されていくことは間違いない。10年後、20年後、そして、30年後には少子高齢化問題が社会問題化する前の1972年(昭和47年)の婚姻数(110万組)、出生数(2,091,983人)の時のレベルまでには、到達しなくてもかなり近いところまで改善されるのではないだろうか。少子高齢化に使う税金は、将来の税収となって戻ってくるが、防衛費からは何も生まれない。防衛費が増額できない分は、外交政策でカバーする努力をすべきではないだろうか。自民公明連立政権にそこまで本気で少子高齢化問題に取り組むつもりがないのなら、今直ぐにでも政権を返上して頂きたい。

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Posted by たっちん